詩のような映画『パターソン』(原題:Paterson)に出会えました。
アメリカニュージャージー州パターソン市に妻と愛犬と暮らす、バスの運転手パターソン。
朝起きて、となりで寝ている妻にキスをして、朝食をとって仕事に向かう。時間があればノートを取り出し、詩を書く。
帰宅後、その日の出来事を妻と話し、夕食をとる。愛犬マーヴィンの散歩に行き、お気に入りのバーに立ち寄って店主と話す。
そして一日の終わりは妻のとなりで眠りにつく。
妻ローラとの会話、彼の周りにいる人々とのふれあいは特別ではなくても美しい。パターソンの7日間を綴った作品です。
『パターソン』
カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
監督は『コーヒー&シガレッツ』で知られる、ジム・ジャームッシュ。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション出品作です。
『パターソン』キャラクター紹介
パターソン(アダム・ドライバー)
画像引用元:IMDb
バスの運転手。日常の出来事を詩に書きとめている。妻のすることや独創的な料理には文句をいわず、表情にも出さない。
ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)
画像引用元:IMDb
パターソンの妻。彼女のアートによって家のインテリアは日々かわる。とつぜん歌手になるといってギターを買う。
マーヴィン
画像引用元:IMDb
パターソンとローラと一緒に暮らすフレンチ・ブルドック。不満は表情や声に出して伝えるタイプ。
ドク(バリー・シャバカ・ヘンリー)
画像引用元:IMDb
パターソンが通うバーの店主。
ドニー(リズワン・マンジ)
画像引用元:IMDb
パターソンの同僚。家庭で起こる小さな問題をパターソンにグチるのが日課。
『パターソン』を観て
画像引用元:IMDb
この映画を観た印象をひとことで表現するとすれば「瑞々しい」かな。
映像も音楽も、余計な情報はいっさい入っていないという感じ。とても静かな湖面のように美しい。
パターソンの、日々の幸せを静かにかみしめる様子が詩に表現されています。この作品自体が、まるで詩のようです。
観たあとで同じ気持ちになるのは、松本佳奈監督の『パンとスープとネコ日和』や、荻上直子監督の『めがね
』など。
特別でない日常をていねいに綴った作品って、ほっとします。心がちょっと疲れたときや、日々につまらなさを感じたとき、ぜひ観てください。
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