バイオ・メディカル

【翻訳サンプル】放射免疫療法と腫瘍細胞のイメージング

以前自力翻訳した明細書で翻訳サンプルを作成したので、そのうちの一部を掲載します(比較のため、この記事では公開訳も載せています)。

以下のブログ記事で取り上げた明細書です。

放射免疫療法関連の対訳学習終了(公開訳に対する気づき・疑問点など)今月22日に夫が休暇に入ってからというもの、買い出し、外食、その他の用事が重なっています。しかも、健康麻雀大好き夫による麻雀特訓まで始ま...

放射免疫療法と腫瘍細胞のイメージング

DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTIONから抜粋

[0000] In contrast to toxin molecules, the radioisotope itself is unlikely to elicit significant immune responses that would limit subsequent use. RIT is also potentially less toxic since the chemistry of linking different radioisotopes to antibodies including 188Re and 213Bi has been well developed, and the exceptional stability of radiolabeled antibodies in vitro and in vivo has been confirmed.
[0000] As is known to those having ordinary skill in the art, availability of many isotopes differing in half-life and radiation type offers great versatility for designing RIT depending on the specific target and binding molecule (Milenic et al. (2004) Nature Rev. Drug Discovery 3:488-498; Milenic e/ α/. (2004) Cancer. Biother. Radiopharm. 19: 135-147; Dadachova et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101 :14865-14870). Nevertheless, combination therapy comprising RIT and another modality, such as chemotherapy, immunotoxins, or radiation-beam therapy may provide additional advantages than the RIT modality alone.
[0000] Based on the data accumulated in clinical RIT of cancer, the primary toxicity of RIT is likely to be bone marrow suppression. Important determinants of the extent and duration of myelosuppression include bone marrow reserve (based on prior cytotoxic therapy and extent of disease involvement), total infection burden and spleen size (Knox and Meredith (2000) Semin. Radiat. Oncol. 10:73-93; Hernandez and Knox (2003) Semin. Oncol. 30(6 Suppl l7):6- 100).

自分訳:
 【0000】
 毒素分子とは対照的に、放射性同位体それ自体は、後の使用を制限するような著しい免疫応答を誘発する可能性が低い。また、RITは、188Re及び213Biなどの様々な放射性同位体を抗体に結合させる化学的手法が十分に開発されており、且つIn vitro及びIn vivoでの放射性標識抗体の優れた安定性が確認されていることから、毒性を有する可能性が低い。
 【0000】
 当業者に知られている通り、半減期及び放射線の種類が異なる多くの同位体が利用可能であることにより、特定の標的及び結合分子に応じてRITを設計するための高い汎用性が提供される(非特許文献0、非特許文献0、非特許文献0)。それにもかかわらず、RITと、化学療法、イムノトキシン、又は放射線ビーム療法などの別のモダリティとからなる併用療法は、RITモダリティ単独よりも更なる利点をもたらし得る。
 【0000】
 癌の臨床RITで蓄積されたデータに基づくと、RITの主な毒性は骨髄抑制であると考えられる。骨髄抑制の程度及び持続期間の重要な決定因子としては、骨髄予備能(細胞毒性剤による前治療及び疾患進行の程度に基づく)、総感染負荷、及び脾臓サイズが挙げられる(非特許文献0、非特許文献0)。

公開訳:
 【0000】
 毒素分子に対して、放射性同位体自体は、その後の使用を限定し得る有意な免疫応答を引き出す可能性は低い。RITはまた、188Re及び213Biを含む抗体に連結する異なる放射性同位体の化学的性質が十分に明らかにされており、in vitro及びin vivoでの放射性標識抗体の特別な安定性が確認されているため、毒性を有する可能性は低い。
 【0000】
 当業者に既知のように、半減期及び放射線タイプが異なる多くの同位体が利用可能であることにより、特異的な標的及び結合分子に応じたRITの設計に多大な多用性が与えられる(Milenic et al. (2004) Nature Rev. Drug Discovery 3:488-498、Milenic et al. (2004) Cancer. Biother. Radiopharm. 19:135-147、Dadachova et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101:14865-14870)。それにもかかわらず、RIT及び別のモダリティ、例えば化学療法、免疫毒素、又は放射線ビーム療法を含む併用療法は、RITモダリティ単独よりもさらなる利点をもたらし得る。
 【0000】
 癌の臨床RITにおいて累積されたデータに基づくと、RITの一次毒性は骨髄抑制であり得る。骨髄抑制の程度及び持続時間の重要な決定因子としては、骨髄予備能(一次細胞毒性療法及び疾患の関与の程度に基づく)、総感染負荷、及び脾臓の大きさ(Knox and Meredith (2000) Semin. Radiat. Oncol. 10:73-93、Hernandez and Knox (2003) Semin. Oncol. 30(6 Suppl l7):6-100)が挙げられる。

特許請求の範囲

What is claimed is:

1. A method of treating a subject having a virus-associated cancer comprising administering to the subject a radiolabeled binding molecule, wherein the binding molecule binds to a virus antigen expressed by virus-associated cancer cells in the subject.

2. The method of Claim 1, wherein the virus antigen is on the cell surface of virus- associated cancer cells.

35. A pharmaceutical composition formulated in dosage form, comprising a radiolabeled binding molecule and a pharmaceutically acceptable carrier, wherein the binding molecule is specific for a virus antigen expressed by a virus-associated cancer cell and wherein the dosage is appropriate to kill cancer cells that express the viral antigen in a subject or wherein the dosage is appropriate to image virus-associated cancer cells in a subject.

自分訳:
【特許請求の範囲】

【請求項1】
 ウイルス関連癌を有する対象を治療する方法であって、
 放射性標識した結合分子を前記対象に投与することを含み、
 前記結合分子が、前記対象においてウイルス関連癌細胞により発現されたウイルス抗原に結合する
 方法。

【請求項2】
 前記ウイルス抗原が前記ウイルス関連癌細胞の細胞表面上に存在する、請求項1に記載の方法。

【請求項35】
 剤形に製剤化された医薬組成物であって、
 放射性標識した結合分子と薬学的に許容できる担体とを含み、
 前記結合分子がウイルス関連癌細胞により発現されたウイルス抗原に特異的であり、且つ放射線量が対象において前記ウイルス抗原を発現する癌細胞を死滅させるのに適切であるか、又は放射線量が対象においてウイルス関連癌細胞をイメージングするのに適切である
 医薬組成物。

※コメント
請求項35の4、5行目

dosage:「投与量」との訳も考えられます。

公開訳:
【特許請求の範囲】

【請求項1】
 ウイルス関連癌を有する被験者を治療する方法であって、該被験者に放射性標識結合分子を投与することを含み、該結合分子が、該被験者においてウイルス関連癌細胞が発現するウイルス抗原に結合する、方法。

【請求項2】
 前記ウイルス抗原が前記ウイルス関連癌細胞の細胞表面にある、請求項1に記載の方法。

【請求項35】
 投薬形態に製剤された医薬組成物であって、放射性標識結合分子及び薬学的に許容可能な担体を含み、該結合分子が、ウイルス関連癌細胞が発現するウイルス抗原に特異的であり、且つ投薬量が被験者において前記ウイルス抗原を発現する癌細胞を破壊するのに適切であるか、又は投薬量が被験者においてウイルス関連癌細胞をイメージングするのに適切である、医薬組成物。

まとめ

この明細書を翻訳したのは去年の12月ですが、その時よりは現在の方が翻訳の質が向上していると感じます。

対訳のない明細書の翻訳経験はまだ1件だけなので、今後、件数を増やします。

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