本題に入る前に
※この記事の公開時は本題に入る前の前置きを書いていましたが、プライベートなことを書きすぎてしまったため公開翌日に削除しました。
管理人さん、前置き部分にもコメント頂きありがとうございました。
レジスト関連明細書の自力翻訳終了
以下の明細書の自力翻訳が終わりました。
Pub. No. US 2013/0260313 A1
PHOTOACID GENERATING POLYMERS CONTAINING AURETHANE LINKAGE FOR LTHOGRAPHY
ひと通り訳し終えた直後にこの記事を書いているので、見直しはまだしていません。
1日寝かせてから見直す予定です。
処理スピード
1時間ごとの翻訳ワード数を計測しました。その結果、1日ごとの処理ワード数は以下のようでした。
・合計ワード数:13,907 w
・翻訳に要した合計時間:45 h
前回までの自力翻訳では1日最長9時間翻訳することが多かったのですが、今回は(初めの2日間は除いて)1日8時間としました。
1時間ごとにタイマーをセットし、間に10分程度の休憩(ベランダに出て外を眺めながらのんびりする時間)を取り入れました。
1時間ごとの記録
以下は、1時間ごとの記録です。色のついた左の列から、
・計測開始時のワード数
・計測後のワード数
・(計測開始時のワード数)-(計測後のワード数)=処理ワード数
です。
一番右の列が、1時間ごとの処理ワード数です。
時間を要したワード
訳語選定に悩み時間を要したワードは以下の通りです。この記事では詳しい考察をせず、挙げるだけにとどめます。
見直し時に変更する可能性もありますが、現時点で訳語として選んでいる日本語をカッコ内に記載しています(複数あるものは訳し分けたものです)。
・sub-50 nm regime(50 nm未満の領域)
・topographical patterned(トポグラフィカルパターニングされた)
・topographical relief pattern(トポグラフィカルなレリーフパターン)
・radiation(放射、放射線、照射)
・liquid puddle(液体パドル)
・defining high resolution circuitry(高解像度回路を形成する)
・soft x-ray radiation(軟X線放射)
・cleaved by a strong acid(強酸により「切断され」としたが「脱離し」としたい)
・gradient-driven acid diffusion(勾配駆動酸拡散)
・the norbornyl ester is pendant to the PAG polymer backbone(上記ノルボルニルエステルは本PAGポリマー主鎖のペンダント基である)
・acid cleavable group(「酸開裂性基」としたが「酸脱離性基」としたい)
・pattern-wise exposure(パターン露光)
・flood exposure(フラッド露光)
・scanning exposure delivered by digital writing device (デジタル描画装置によって行われる走査露光)
・exposed dissolution rate(露光部溶解速度)
・microfluidic cells(マイクロ流路セル)
・contact hot plate baking(コンタクトホットプレートベーキング(contactは「接触型」か?))
・house vacuum(家庭用減圧装置)
・sharp contrast(鮮明なコントラスト)
・pendant lactone(ペンダントラクトン。「ペンダント基としてラクトンを含む」という意味だろう)
上記のほか、今回の明細書は長い化学名が多く登場したので時間を使いました。
例えば
・2-{[5-(1′,1′,1′-trifluoro-2′-trifluoromethyl-2′-hydroxy)propyl]norbornyl]}methacrylate (NbHFAMA)
・5-[(trifluoromethylsulfonylamino)methyl]-2-norbornyl methacrylate (NbNHCF3SO2MA)
・triphenylsulfonium perfluoromethanesulfonate
・2,4,6-trimethylphenyldiphenylsulfonium perfluorobutanesulfonate
・tris(t-butylphenyl)sulfonium perfluorooctane sulfonate
・alpha,alpha′-bis-sulfonyl-diazomethanes
など。1時間当たりの処理ワード数が稼げないので、かなりのストレスがかかりました。
また、原文では、同じ物質を指していると思われるにも関わらずハイフンがあったりなかったりと統一されていませんでした。
括弧(大括弧やカギ括弧など)とハイフンのつけ方についてある程度知識があれば、今後適切なコメントをつけるのに便利なので、IUPAC命名法など以下のような資料を確認することとします。
https://main.spsj.or.jp/c19/nomenclature.pdf
良かった点
今回、大きな成長を感じた点がありました。
それは、「見直し時に大きな訳し直しは必要ないであろう」という確信が持てていることです。
これまでの自力翻訳では、いったん訳し終えたものに対して数十時間もかけて修正を加えていました。
今回は、日本語の細かい調整をしたり、悩んだ末に仮決定している訳語を修正したりする程度で済みそうです。
このように成長を感じた理由として、リソグラフィ関連の明細書を何件か読み、かつIBMの対訳を終えた後の自力翻訳だったから、というのが最も大きいかも知れません。
しかし、これまでコツコツ積み重ねた経験によるものであるとも思うのです。
見切りのつけ方、よいコメントのつけ方も意識できるようになりました。
後は、引き続き実践に近い状態で経験を積み上げるのみです。
今後の予定
現在、1件のトライアルに取り掛かっているのでそれを進めながら、今回の自力翻訳の見直しを進めます。
その他複数社応募しているのですが連絡はまだなく、トライアルを受けられるかどうか分かりません。
こちらの都合で事が進むわけではないので、トライアル期間が重複しないようにと応募のタイミングをはかるのは不可能だと分かりました。
タイミングにとらわれず、引き続き応募先の調査を続けます。