【 医薬・医学翻訳の独学】におすすめの無料Webサイト5選
この記事は以下のような方向けに書きました。
- 医薬・医学翻訳を学びたい、または学んでいる
- 無料で医薬・医学翻訳を学べるサイトを知りたい
この記事を書いているわたしは、会社員として医薬の安全性に関わるCRO企業で働いています。また、在宅での副業として、翻訳と翻訳チェッカーの仕事をしています。
本業では翻訳をしていませんが、日常的に扱うのは英語の資料ですし、文書(CIOMS)の翻訳チェックをすることもあります。
副業の翻訳は分野を問わず、翻訳チェッカーは医薬・医学がメインの担当です。
わたしの経験(英語力だけではだめだった)
わたしは自分の英語力にはある程度の自信がありましたが、英語力があるからといって翻訳ができるわけではありません。
とくに医薬や医学の場合、専門的な背景知識も必要とされます。
いまの業界に転職後、通信講座で医薬・医学翻訳を学び始めました。
課題に関連することを調べるときに、無料で使えるWebサイトは大いに役立ってくれました。現在も翻訳の仕事をするときに、必要に応じてWebサイトから情報を得ています。
Webサイトは最高の翻訳学習教材です。大いに活用していきましょう。
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おすすめの無料Webサイト5選
わたしがおすすめしたいWebサイトを5つご紹介します!
画像をクリックすればそれぞれのページがみられます。
1、PMDA(日本語・英語)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)のサイトです。
医薬に関連する職業の人でなければ、知らないという人がほとんどのはずです。
わたしも現在の会社に転職するまで知りませんでした。
けれど、医薬・医学翻訳者を目指すのであれば、知っておいた方がいいでしょう。
簡単にいうと、PMDAは医薬品の安全性に関する情報をあつめている国の機関です。
PMDAのサイトを見ればわかりますが、日本語はもちろんのこと、表示言語を英語に設定すれば最高の翻訳学習教材となります。
また、訪問者ごとに切り替わるナビゲーションがあります。学習し始めてからしばらくは「一般の方向け」、専門的な用語などに慣れてくれば「医療従事者向け」に設定すればいいでしょう。
医薬翻訳者を志す方は、一度は目を通しておくことをおすすめします。
2、The New England Journal of Medicine
医学論文のアブストラクト(要旨)を見ることができるサイトです。
英語版オリジナルサイトへのリンクが掲載されているので、日本語、英語のアブストラクトを読み比べることで翻訳の勉強になります。
医薬・医学と論文は切り離せないものですよね。でも論文って「なぜこんな難しい表現になるんだ…」というくらい、言い回しが独特なんですよね。
たとえば「no significant difference」は「大きな違いはない」ではなく「有意差は認められない」になります。難しいですよね(笑)
このサイトで学ぶことで、論文を訳すときの独特の言い回しに慣れることができます。
3、The New England Journal of Medicine(Audio Summary)
さきほど紹介したThe New England Journal of Medicineのオーディオ版です。
まずは英語と日本語を読み比べて、慣れてきたらオーディオ版に取り組むのがいいでしょう。正直、慣れるまでは何を言っているのか分からず、ねむくなってしまいます…。
でも、なんども聞いていると、よく使われる単語がわかってきたり論文の構成がわかってきたりと、とても勉強になるサイトです。
最初は聞き取れなくても、分からないまま聞くということを続けてみてください。「あれ?わかる…わかるぞ!」という瞬間がくるはずです。
4、MSD Manual Professional Version
病気や検査など、医学に関することを本格的に学べるサイトです。
わたしが通信講座の課題で翻訳するとき、このサイトがいつも助けてくれました。
調べたい病名や検査名などを検索して、関連する記事を読むことで「翻訳前の下調べ」をしていました。
翻訳するときに背景知識をもっていることはとても大切です。
ただ英語から日本語に訳すのと、背景知識をもって訳すのでは全然ちがいます。
あなたの翻訳した文章は、その道(医薬なら医薬)の専門家も読みます。背景知識のないまま訳された文章では「この翻訳者は知識がない」とすぐに見抜かれてしまうでしょう。
背景知識を得るためにも、このサイトは大いに役立ってくれます。
たとえば「胃がん」と検索すると関連する記事が複数でてくるため、翻訳するときに探している情報を得られることが多いんです。
日本語版もあります。日本語版は英語が直訳されたような不自然な日本語ではないので、2つを読み比べることで最高の翻訳学習教材になります。
5、Linguee
無料で利用できるオンライン辞書です。
単語を入力して検索すると、関連する例文が「これでもか」というくらいたくさん表示されるため、翻訳の勉強にうってつけです(ためしに「肺がん」と検索してみてください。)
「まさに知りたいことが例文にある!」ということも、しばしばありました。
さらに素晴らしいのが、その例文の出典元へのリンクが掲載されているというところ。
より詳しく調べたいときに便利ですよね。
ただ、広告が多いのが難点ですが…、無料なのでそこはガマンですね。
まとめ
良質な学習教材を無料でつかえるのは、ありがたいですよね。
「これが無料でつかえるのか」と思えるサイトばかりです。
翻訳において「調べる力」をもつことはとても重要です。
今回ご紹介したサイトやご自身で見つけられたサイトをつかって、もとめる答えに確実に、はやくたどり着けるように練習してみてください!