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洋書の多読におすすめ『The Giver ギヴァー記憶を注ぐ者』

すばらしい作品に出会いました。『The Giver ギヴァー記憶を注ぐ者』です。

舞台は、人々が平和に暮らすために、すべてを「委員会」に管理された近未来の世界。あっという間に物語の世界に入りこんで、いっきに読みました。

児童向けなので、難易度やさしめな英語です。洋書の多読をしている人にもおすすめ。

映画化されている作品なので、映画についても紹介します。

The Giver

日本語版『ギヴァー 記憶を注ぐ者』

The Giverのあらすじ

戦争と荒廃の後の世界。人々は「コミュニティー」で暮らしていた。

争い、憎しみ、恐れはない。人々は習慣としている毎朝の投薬によって、感情を抑制されている。食事は支給されるので、飢えることもない。完全に平和で、安心に暮らせる世界だ。

そんなコミュニティーには、欠けているものがあった。

たとえば、色、感情、音楽、雪、愛…人々は見たこともないし、それらをあらわす言葉も知らない。

そして、記憶。すべての人は、過去の記憶を持たない。戦争や飢え、人類が経験した歴史を知らないのだ。

コミュニティーにたったひとり、過去の記憶を受け継ぐ役目を持つ者がいた。「The Receiver」といって、もっとも名誉ある職だ。

12歳の少年Jonasは、「The Receiver」に選ばれた。記憶を注ぐ者「The Giver」から、すこしずつ記憶を分けてもらう。

記憶を受け継ぐJonas。初めて雪を知った。初めて灰色以外の色を知った。そして、初めて「愛」を知った。

痛みも味わった。初めて、戦争というものを知った。それでも、世界は美しかった。Jonasの心は動かされた。

「世界はこんなに美しいのに、なぜ排除するんだ?」

コミュニティーでは、「Release(解放)」という言葉がよく使われた。「Release」された人々は、どこか別の場所で暮らしているのだと思っていた。しかしJonasは、「Release」の本当の意味を知った。

コミュニティーに隠された秘密を知った彼は、コミュニティーの外、つまり「記憶の境界線」を超えることを決意した。

The Giver ギヴァー記憶を注ぐ者を読んで

美しき本当の世界

生きていれば、当たり前のように経験する寂しさ、怒り、憎しみ、悲しみがあります。それらを排除した「コミュニティー」には、色がありません。

人々は、委員会によって適性を考慮して決められた相手と「家族ユニット」を形成します。「愛する」という概念すらないのです。

受け取る記憶が多くなるにつれて、Jonasの世界に色がついていきます。

偽りの世界への違和感と、本当の美しい世界の記憶のはざまで苦しみ、戸惑う彼に、感情移入しないわけにはいきませんでした。

洋書多読の1冊におすすめ

洋書の多読は、絵本や100ページ以下の短い作品から読むことをおすすめします。

この作品は、210ページほどあります。児童向けなので、わりとスラスラ読めます。

多読をはじめて少し経って、「つぎは少し長めのものを読んでみようかな」という人にぴったりです。

世界観の似た日本の作品

ここで、貴志祐介さんの『新世界より』という本を紹介します。

わたしがもっとも好きな作品のひとつであり、The Giverに近いものを感じました。

1000年後の日本。呪力をもつ人々は、争いのない平和な暮らしをしていた。しかし、表面上の平和の内には「恐れ」があった。無邪気なこどもたちは管理され、監視され、そして記憶を操作されていた。

興味のある人はぜひ。

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細かい設定では本との違いはありますが、大きくは変わりません。本と同じように、ぐっと世界にのめり込んで観てしまいます。

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The Giver ギヴァー記憶を注ぐ者

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