バイオ・メディカル

肺内送達用の免疫抑制剤組成物に関する明細書(ELISAアッセイ)

以下の明細書の対訳学習を進めています。

【公表番号】特表2010-515753(P2010-515753A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【発明の名称】肺内送達用免疫抑制剤組成物の送達の増強
ENHANCED DELIVERY OF IMMUNOSUPPRESSIVE DRUG COMPOSITIONS FOR PULMONARY DELIVERY

今回は、ELISAアッセイに関する部分を、公開訳を取り上げながらまとめます。

まずはELISAについてまとめます。

ELISAとは

ELISA(Enzyme -Linked Immunosorbent Assay)は、抗体を用いた免疫学的測定法(イムノアッセイ)の一つです。

例えば、ある物質の試料中の濃度を調べたいときに、その目的物質(抗原)に特異的な酵素標識抗体を用いて検出・定量する方法です。

私は長い間、頭の中で「エリサ」と読んでいましたが、調べてみると「エライザ」と呼ばれることが多いようです。

日本語では、「酵素結合免疫測定法」や「酵素免疫測定法」などと呼ばれています。

通常は、以下の写真のようなウェル(くぼみ)を持つ「マイクロプレート」を用いて行います。


画像引用元:Wikipedia

ELISAの基本原理

まず、マイクロプレート表面に抗体を吸着させます。

この操作を「コーティング」や「固相化」と呼び、吸着させた抗体は「キャプチャー抗体(補足用抗体)」とか「固相化抗体」と呼ばれます。

そこに、測定対象となる物質(抗原)が含まれる溶液を添加してインキュベーションすることによって、キャプチャー抗体に抗原を結合させます。

次に、酵素で標識した抗体(二次抗体)を含む溶液を添加して、二次抗体を抗原に結合させます。

標識用の酵素の例としては、西洋わさびペルオキシダーゼがあります。

ペルオキシダーゼというのは、過酸化水素を基質として有機物の酸化を触媒する酵素のことです(ここでは詳しいまとめは省略します)。

続いて、「色素原(chromogen)」を添加します(色原性基質ともいう)。この色素原は、酵素の作用を受けると色素に代わるという特徴があります。

つまり、「酵素標識された二次抗体に結合された抗原」の量を、色素として検出することが可能になるというわけです。

その後、反応停止液を添加して反応を停止させます。そして、この色素の吸収波長で「吸光度」を測定します。

吸光度は、溶液に光が通った際に、どれだけ弱まるか、つまりどれくらいの強さで溶液中に光が吸収されるのかを示すものです。

吸光度は「ランベルトベールの法則」に基づいていて、詳しいまとめは省略しますが、吸光度は溶液の濃度に比例することを示す法則のようです。

このようにして、測定対象である抗原の量を、その抗原に特異的な標識抗体によって定量することができるというわけです。

酵素が多い(酵素で標識された抗体には抗原が結合しているので抗原も多い)場合は、光がより吸収されます。反対に、酵素が少ない(抗原も少ない)場合は、光があまり吸収されません。

※あくまでイメージとして描きました↓

ELISAの種類

ELISAには以下のような種類があります。

  • 直接法
  • 関節法
  • サンドイッチ法

詳しくは、以下のモノクローナル抗体に関する記事の中でまとめています。

モノクローナル抗体今回は、「モノクローナル抗体」についてまとめます。 抗体 抗体とは 抗体(antibody)は、生体内に侵入した病原体や花粉などの...

※今回の記事にまとめた内容の一部を上記の記事にも付け足しているので、記述内容が重複している部分があります。

明細書のELISAアッセイ

今回は、明細書内のELISAに関する以下の部分を取り上げます。

Enzyme -Linked Immunosorbent Assay (ELISA) for Analysis of TAC Concentrations in Blood. The determination of TAC in whole blood was performed using the PRO-Trac™ II FK 506 ELISA assay kit (Diasorin Inc., Stillwater, USA) in accordance with the manufacturer’s instructions. Specifically, 50 μL of whole blood sample or standards were placed into a conical 1.5 mL polypropylene tube. Digestion reagent was freshly reconstituted, and 300 μL was added to all tubes. The tubes were vortexed for 30 seconds and incubated at room temperature for 15 min. These tubes was then placed on an aluminum heating block circulated with 75°C water bath for 15 min to stop proteolysis. After vortexing, the tubes were centrifuged at room temperature at 1,800 xg for 10 min. The supernatant (100 μL) was transferred to microtiter plate wells in duplicate from each centrifuged tube. Capture monoclonal anti-FK506 (50 μL) was added to the each well, and the plate was shaken at room temperature at 700 rpm for 30 min. TAC horseradish peroxidase conjugate (50μL) was then added to each well, and the plate was shaken at room temperature at 700 rpm for an additional 60 min. The plate was washed, before the addition of 200 μL chromogen. The plate was then shaken at 700 rpm for a further 15 min at room temperature. The subsequent reaction in each plate well was terminated by the addition of 100 μL of stop solution. The absorbance in each well was read at the dual wavelengths of 450 and 630 nm. Data was plotted according to a four-parameter logistic (4PL) curve-fitting program.

公開訳:血中TAC濃度を解析するELISA(酵素免疫測定:enzyme-linked immunosorbent assay)法:製造元の使用説明書に従い、FK 506用PRO-Trac(商標)II型ELISA法キット(米国、スティルウォーター、Diasorin社製)を用いて、全血液中のTACの決定を実施した。具体的には、1.5mLのポリプロピレン製コニカルチューブ内に、50μLの全血液試料又は基準試料を入れた。消化試薬を新規に再構成し、すべてのチューブに300μLずつを添加した。該チューブを30秒間にわたりボルテックスし、室温で15分間にわたりインキュベートした。次いで、これらのチューブを75℃の浴水が循環するアルミニウム製加熱ブロック上に15分間置き、タンパク質分解を停止させた。ボルテックス後、室温、1,800×gで10分間にわたりチューブを遠心分離した。遠心分
離された各チューブからマイクロ滴定プレートウェルに、2連で上清(100μL)を移した。各ウェルにキャプチャーモノクローナル抗FK506抗体(50μL)を添加し、室温、700rpmで30分間にわたってプレートを振とうした。次いで、各ウェルにTAC西洋わさびペルオキシダーゼ抱合体(50μL)を添加し、室温、700rpmでさらに60分間にわたってプレートを振とうした。200μLの色原体の添加前に、プレートを洗浄した。次いで、室温、700rpmでさらに15分間にわたってプレートを振とうした。100μLの停止溶液の添加により、各プレートウェルにおけるその後の反応を終了させた。450nm及び630nmの2つの波長で、各ウェルにおける吸光度を読み取った。4パラメータロジスティック(4PL:four-parameter logistic)曲線近似プログラムにより、データをプロットした。

少しずつ区切って公開訳を取り上げながらまとめます。

①Enzyme -Linked Immunosorbent Assay

Enzyme -Linked Immunosorbent Assay (ELISA) for Analysis of TAC Concentrations in Blood. The determination of TAC in whole blood was performed using the PRO-Trac™ II FK 506 ELISA assay kit (Diasorin Inc., Stillwater, USA) in accordance with the manufacturer’s instructions.

公開訳:血中TAC濃度を解析するELISA(酵素免疫測定:enzyme-linked immunosorbent assay)法:製造元の使用説明書に従い、FK 506用PRO-Trac(商標)II型ELISA法キット(米国、スティルウォーター、Diasorin社製)を用いて、全血液中のTACの決定を実施した。

この明細書では、マウス全血中のTAC(タクロリムス)の濃度を調べるためにELISAを実施します。先ほどのELISAに関するまとめにおける「抗原」がTACです。

TAC濃度を決定するために、ELISAアッセイ用のキットを使ったということです。

②試料調製

Specifically, 50 μL of whole blood sample or standards were placed into a conical 1.5 mL polypropylene tube. Digestion reagent was freshly reconstituted, and 300 μL was added to all tubes.

公開訳:具体的には、1.5mLのポリプロピレン製コニカルチューブ内に、50μLの全血液試料又は基準試料を入れた。消化試薬を新規に再構成し、すべてのチューブに300μLずつを添加した。

2-1 standards

「standards」は、「検量線」を作成するための「標準液」であると考えます。

標準液は、(濃度が未知の)目的物質の濃度を算出する際の参考となるものです。

標準液には、既知の濃度のTACを入れて吸光度を測定します。その結果をもとに、横軸に抗原の濃度、縦軸に吸光度をプロットして作成されるのが検量線です。

標準液で作成された検量線を用いて、全血試料中の未知の濃度のTACの量を計算します。

原文に戻ると、「whole blood sample or standards」は、自分なら「全血試料又は標準液」とか「全血試料又は標準試料」と訳すだろうと思います。

ただし、「全血検体」とするか「全血試料」とするかについては、今後別の記事にまとめつ予定です(「sample」の訳語について)。

2-2 reconstitute

「reconstitute」は、溶液の状態から(凍結乾燥などによって)粉末などの乾燥状態に調製されたものを、再び溶液にすることをいいます。

溶媒(水など)を加えて、「元の状態に戻す」というイメージです。

例えば、以下のELISAキットの説明では、「標準液のもと(標準品)」を溶媒(精製水)に加えて溶解し、「標準溶液」を調製することが書かれています。

参照:Mature BDNF ELISA Kit Wako

以下では、「溶液調製」という表現も使われているようです。

参照:はじめての抗体標識プロトコル

今回の一文では、ELISAアッセイ前にタンパク質分解を促すために、「消化試薬のもと」を溶媒に溶解して「消化試薬」を調製したということなのでしょう。

「Digestion reagent was freshly reconstituted」は、日本語だけで考えれば「消化試薬を新たに調製」がしっくりきます。

しかし、訳語として「prepared」と区別されていない感じがします。

他の候補としては、「溶液調製」とか「再調製」があります(以下の記事にも書いています)。

肺内送達用の免疫抑制剤組成物に関する明細書(マウスにおけるin vivo試験~HPLC前の固相抽出②)以下の明細書の対訳学習を進めています。 【公表番号】特表2010-515753(P2010-515753A) 【公表日】平成22年5...

しかし、「消化試薬を新たに再調製」というのも不自然に感じます。「消化試薬を新たに溶液調製」という表現もしっくりきません。

公開訳の「再構成」とするのが良いのかも知れませんが、何となくモヤモヤが残る感じです。

他の明細書も読み、新たに分かれば追記します。

③ボルテックス + インキュベート

 The tubes were vortexed for 30 seconds and incubated at room temperature for 15 min.

公開訳:該チューブを30秒間にわたりボルテックスし、室温で15分間にわたりインキュベートした。

消化試薬を調製してコニカルチューブに添加し、攪拌してインキュベートさせたという一文です。

タンパク質があると、ELISAアッセイの抗体抗原反応をジャマしてしまうため、それを防ぐためにタンパク質を除去する必要があります。

なので、消化試薬で全血中のタンパク質を分解させ、TACから分離させるというわけです。

④タンパク質分解停止 + 遠心分離

These tubes was then placed on an aluminum heating block circulated with 75°C water bath for 15 min to stop proteolysis. After vortexing, the tubes were centrifuged at room temperature at 1,800 xg for 10 min.

公開訳:次いで、これらのチューブを75℃の浴水が循環するアルミニウム製加熱ブロック上に15分間置き、タンパク質分解を停止させた。ボルテックス後、室温、1,800×gで10分間にわたりチューブを遠心分離した。

次に高温状態にして、消化試薬中のタンパク質分解酵素を不活性化させ、タンパク質分解を停止させます。

それからボルテックス混合し、遠心分離することによってタンパク質の沈殿物と上清に分離します。

4-1 water bath

手持ちの複数の辞典で調べた結果をまとめると、「water bath」には以下の意味があり、「水浴」が訳語となっています。

反応容器を熱するのに用いられる方法または器具(器具の場合は「水浴槽」とも)、またはそのような温度環境

そして、水浴を循環する「熱媒体(heating medium)」、例えば温水や熱湯などによって熱するという原理のようです。

明細書をいくつか見てみると、確かに「水浴」と表されています。

今回の一文は、「an aluminum heating block circulated with 75°C water bath」と書かれています。

75℃の水浴で循環されたアルミニウム加熱ブロック…?

「an aluminum heating block which was maintained at 75°C using a circulating water bath」ということなのでしょうか。

この「water bath」は循環する熱媒体のことを指しているのでしょうが、これも「water bath」というのでしょうか。公開訳は「浴水」となっています。

以下などを見てみると、「加熱ブロック」と「水浴」は、別の加熱方法なのではないかと思います。

参照:
精製タンパク質およびペプチドの加水分解
日本産業規格(JIS)

あるいは、加熱ブロックと浴水を組み合わせた加熱方法なのでしょうか。

この一文については調査しきれていません。

4-2 1,800 xg

「1,800 xg」の「xg」は、遠心分離の遠心加速度の単位です。

「g」は重力加速度を表しています(物理で散々勉強しました)。「xg」は「重力加速度の何倍の遠心加速度か」という意味です。

重力加速度の1,800倍の遠心加速度で遠心分離した、ということです。

⑤上清回収

The supernatant (100 μL) was transferred to microtiter plate wells in duplicate from each centrifuged tube.

公開訳:遠心分離された各チューブからマイクロ滴定プレートウェルに、2連で上清(100μL)を移した。

自分訳:遠心分離された各チューブからマイクロタイタープレートのウェルに、2連で上清(100μL)を移した。

in duplicate」には、「2連で」、「2回(繰り返して)」、「二重に」という意味があります。

この一文の場合は、各コニカルチューブから、2つのマイクロタイタープレートウェルに上清を移しとる操作を行ったということです。

試験の信頼性を高めることが目的なのだと考えられます。

マイクロ滴定プレート」よりは「マイクロタイタープレート」の方が自分にとって馴染みがあり、かつこちらの方が検索ヒット数がはるかに多いので、上記の自分訳をつけました。

⑥キャプチャー抗体

Capture monoclonal anti-FK506 (50 μL) was added to the each well, and the plate was shaken at room temperature at 700 rpm for 30 min.

公開訳:各ウェルにキャプチャーモノクローナル抗FK506抗体(50μL)を添加し、室温、700rpmで30分間にわたってプレートを振とうした。

自分訳:各ウェルにキャプチャー用抗FK506モノクローナル抗体(50μL)を添加し、室温、700rpmで30分間にわたってプレートを振とうした。

ELISAに関するまとめのところで説明した「キャプチャー抗体」が含まれる溶液を添加した、という一文です。

Capture monoclonal anti-FK506」について、自分訳では「キャプチャー用抗FK506モノクローナル抗体」としました。

細かい表現の違いなのですが、「FK506(タクロリムスの開発時の名称)に特異的なキャプチャー用モノクローナル抗体」であることが分かりやすいと考えました。

⑦TAC + 標識用酵素の添加

TAC horseradish peroxidase conjugate (50μL) was then added to each well, and the plate was shaken at room temperature at 700 rpm for an additional 60 min.

公開訳:次いで、各ウェルにTAC西洋わさびペルオキシダーゼ抱合体(50μL)を添加し、室温、700rpmでさらに60分間にわたってプレートを振とうした。

ELISAのまとめのところで説明した二次抗体を使わずに、抗原であるTACに標識用酵素(西洋わさびペルオキシダーゼ)を結合させて添加しています。

conjugate」については、もし自力翻訳であれば、「結合体」または「複合体」と訳すと思います。

この複合体を添加することによって、キャプチャー抗体に、抗原(TAC)と標識酵素がくっつきます。

⑧色素原添加 + 洗浄

The plate was washed, before the addition of 200 μL chromogen. The plate was then shaken at 700 rpm for a further 15 min at room temperature.

公開訳:200μLの色原体の添加前に、プレートを洗浄した。次いで、室温、700rpmでさらに15分間にわたってプレートを振とうした。

自分訳:プレートを洗浄、200μLの色素原を添加した。次いで、室温、700rpmでさらに15分間にわたってプレートを振とうした。

「色素原の添加前に、プレートを洗浄した。」の後に、「そして、色素原を添加した」という一文が続くのであれば、公開訳のようでも良いと思います。

しかし、原文では次に洗浄のステップが記載されているので、色素原を添加したことが明確になるように、上記の自分訳のようにしました。

⑨反応停止液の添加

The subsequent reaction in each plate well was terminated by the addition of 100 μL of stop solution.

公開訳:100μLの停止溶液の添加により、各プレートウェルにおけるその後の反応を終了させた。

停止液を入れて、抗原抗体反応を停止させます。

⑩吸光度測定

The absorbance in each well was read at the dual wavelengths of 450 and 630 nm. Data was plotted according to a four-parameter logistic (4PL) curve-fitting program.

公開訳:450nm及び630nmの2つの波長で、各ウェルにおける吸光度を読み取った。4パラメータロジスティック(4PL:four-parameter logistic)曲線近似プログラムにより、データをプロットした。

自分訳:450nm及び630nmの二波長で、各ウェルにおける吸光度を読み取った。4パラメータロジスティック(4PL:four-parameter logistic)曲線フィッティングプログラムにより、データをプロットした。

10-1 dual wavelengths

まず、主波長として、色素の吸収波長である450 nmで吸光度を測定します。この波長で測定することによって、ウェル内の酵素反応が反映されます(つまりTACの濃度がどれくらいなのかが分かる)。

ただし、目的の色素以外の他の要因によって不要な吸光度が加わることがあります。目的物質に由来しないシグナルを「バックグラウンドノイズ」といいます。

他の要因とはウェルのキズ、ゴミ、プレート裏面の汚れなどです。それから、抗原ではなくプレート表面に結合してしまった抗体も、バックグラウンドバックグラウンドノイズの原因です。

バックグラウンドノイズは測定の精度を低下させる原因となるので抑える必要があります。

そこで、バックグラウンドノイズの影響を打ち消す(キャンセルする)ために、副波長として630 nmでの測定も行います。

主波長と副波長との差を算出して、ウェル間、プレート間での測定値のばらつきを抑え、「真の吸光度」を求めます。

four-parameter logistic (4PL) curve

最後の一文の背景となる知識については、完全に理解しようとするとかなり時間を使いそうです。

この部分だけに時間を使うわけにはいかないので、明細書の内容が理解できるレベルでまとめることに留めます。

4パラメータロジスティック(4PL)曲線(4係数ロジスティック曲線ともいう)は、標準曲線(検量線)の作成の仕方を示すものです。

検量線を作成する方法はいくつかありますが、ELISAでは4PLが用いられることが一般的なようです。

4つのパラメーター(a, b, c, d)を用いて、以下のような式に当てはめます。この式により、S字型(シグモイド型)曲線が作成されます。

a:曲線の下限。濃度を限りなく0に近づけた際の、その曲線とは限りなく違いが接触しない直線(下方漸近線)
b:cでの傾き
c:aとdの中点
d:曲線の上限。濃度を限りなく無限大に近づけた際の、その曲線とは限りなく違いが接触しない直線(上方漸近線)

yは吸光度、xは濃度、aは最小反応値、bは曲線の傾き、cは曲線の中点、dは最大反応値と考えることができます。

この4つのパラメーターを得て検量線を作成するために、コンピュータプログラムを使います。「フィッティングプログラム」とか「当てはめプログラム」といいます。

4パラメータロジスティック(4PL)曲線フィッティングプログラムによるデータのプロットは、以下のような流れで行います。

①標準液のデータ(濃度と吸光度)をプログラムに入力し、パラメーター(a, b, c, d)を算出

②パラメーターを用いて、標準液の濃度と吸光度でプロットした曲線(検量線)を生成

③(TAC濃度)未知試料の吸光度を、検量線にあてはめて濃度を算出
方法:未知試料の吸光度を検量線上にプロットする。検量線から、未知試料の吸光度に対応する濃度を読み取る

まとめ

今回は、ELISAアッセイに関する部分を取り上げました。

ELISAはこれまでに読んだ明細書でたびたび登場していましたが、特にデータプロット方法などについては表面的にしか理解できていなかったように思います。

今回ブログにまとめたことでによって、より深く理解できました。

引き続き対訳学習を進めます。

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