以下の明細書の対訳学習を進めています。
【公表番号】特表2010-515753(P2010-515753A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【発明の名称】肺内送達用免疫抑制剤組成物の送達の増強
ENHANCED DELIVERY OF IMMUNOSUPPRESSIVE DRUG COMPOSITIONS FOR PULMONARY DELIVERY
前回の記事に続いて、今回も試験に関する記述を抜粋して公開訳を取り上げながら深掘りします。
まずは、HPLCのための前処置についてまとめます。
HPLCのための前処理(固相抽出)
そもそもHPLC(高速液体クロマトグラフィー)の目的は、液体中に溶解している成分を分離して、定量することです。
今回の明細書であれば、溶出したTAC(タクロリムス)の濃度を決定するのがHPLCを行う目的です。
ただし、分析の精度を高くするためには、肺組織片などの夾雑物(余計なもの)を取り除いてTAC濃度を測定しやすいように前処理(試料調製)する必要があります。
前処理には、「液液抽出法」と「固相抽出法」がありますが、今回の特許で用いられたのは固相抽出法です。
「液液抽出法」と「固相抽出法」について、以下に関単にまとめます。
液液抽出法
液液抽出法は、極性溶媒と有機溶媒とのどちらかに溶解する成分を分離したい場合に使います。
例えば、極性溶媒(水溶性成分と、脂溶性成分が入っている)に非極性の有機溶媒を添加します。
それを振り混ぜて静置すると、極性溶媒中の脂溶性成分が有機溶媒の方に移動するので、分離できます。
簡便な方法である一方、目的成分とそれ以外の成分が似ている場合や、振りませた際にエマルションが形成された場合、相分離が困難になる可能性があります。
液液抽出法が使用できない試料に対しては固相抽出を使います。
固相抽出法
固相抽出法は、HPLCと同じような原理で行われます。
充填剤である固相が詰まったカラムに試料を通して、固相と試料中の成分の相互作用によって保持・分離します。
固相と親和性のある成分ほど、強く固相と相互作用するので、成分ごとに溶出することできるというわけです。
固相の性質によって以下の3つの相互作用があります。
- 疎水性相互作用(逆相)
- 極性相互作用(順相)
- イオン交換(イオン交換相)
①疎水性相互作用(逆相)
疎水性相互作用では、固定相の極性が移動相よりも低くなるように固相が選択されます。
極性の低いものは保持されて、極性の高いものから溶出されるということです。
移動相の例は、メタノール/水など。
固相に最もよく使われているのは、C18(オクタデシル化シリカ、ODS)です。シリカゲルにオクタデシル基を結合させていて、疎水性を付与しています。
画像引用元:GL Sciences Inc.
②極性相互作用(順相)
極性相互作用は、固相に極性をもつものを使用し、水素結合などによって極性のある成分を保持します。
固相にはOHなどの極性官能基が結合していて、極性を持ちます。
固相の種類は、シリカ(Si)、ジオール、アルミナなど。
疎水性の溶媒(ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタンなど)に溶解している試料から、極性成分を分離する目的で使用されます。
③イオン交換(イオン交換相)
イオン交換では、固相にイオン性の官能基が結合していて、試料中のイオン性成分をイオン結合によって保持します。
例えば、陽イオン交換であれば、固相に陰イオンを用いて、陽イオンを保持します。陰イオン交換であれば、固相に陽イオンを用いて、陰イオンを保持します。
明細書
HPLCのための固相抽出に関する以下の部分を取り上げます。
Solid Phase Extraction and Drug Analysis of Lung Tissues using HPLC. Lung extraction was carried out using solid phase extraction to obtain TAC levels using reverse phase HPLC. The total lung weight was recorded individually from each mouse. Lung tissues were homogenized using a Polytron rotor-stator homogenizer (VWR Scientific Corporation, West Chester, PA) for 40 seconds in 1 mL of normal saline. The homogenized lung samples were then mixed with 0.5 mL solution of 0.4 N zinc sulfate heptahydrate in the mixture of methano I/water (70:30) solution and vortex mixed for 30 seconds. Acetonitrile (1 mL) was added to the homogenized samples before a further vortex mixing for 1.5 minutes, followed by centrifugation at 3000 rpm for 15 minutes to obtain a clear supernatant. Next, the supernatant was collected into a clean vial containing 1 mL purified water. Meanwhile C 18 cartridges for solid phase extraction (Supelco Inc., Bellefonte, PA) were preconditioned. First, these columns were pretreated with 2 mL of acetonitrile, followed by 1 mL methanol and then washed with 1 mL of water before loading the supernatant through the column. The sample was transferred and drawn slowly through the column by reducing the vacuum. The column was washed again by passing 1.5 mL mixture of methanol/water (70:30) solution, followed by 0.5 mL of n-hexane and allowed it to dry under vacuum. The sample was finally eluted with 2 mL of acetonitrile (0.5 mL x 4). The eluted material was evaporated under a dry nitrogen stream and then reconstituted with 250 μL of mobile phase using the previously described HPLC assay (below). Data was expressed as μg TAC/gram wet lung tissue analyzed.
公開訳:HPLC法を用いる肺組織の固相抽出及び薬剤解析:固相抽出法を用いて肺抽出を実施し、逆相HPLC法を用いてTACレベルを得た。各マウスから個別に、総肺重量を記録した。1mLの通常生理食塩水中で40秒間にわたり、Polytronローターステーター型ホモジナイザー(ペンシルベニア州、ウェストチェスター、VWR Scientific社製)を用いて肺組織をホモジナイズした。次いで、メタノール/水混合液(70:30)中において、ホモジナイズされた肺試料を0.5mLの0.4N硫酸亜鉛七水和物溶液と混合し、30秒間にわたりボルテックスで混合した。1.5分間にわたってさらにボルテックス混合する前に、ホモジナイズされた試料にアセトニトリル(1mL)を添加した後、3000rpmで15分間にわたる遠心分離により透明な上清を得た。次に、1mLの精製水を含有する清浄なバイアル内に該上清を回収した。その間、固相抽出用C18カートリッジ(ペンシルベニア州、ベルフォンテ、Supelco社製)をプレコンディショニングした。第1に、2mLのアセトニトリルによりこれらのカラムを前処置した後、1mLのメタノールで処置し、次いで、カラム中に上清を投入する前に、1mLの水により洗浄した。真空を低下させることにより、カラムからゆっくりと試料を移し回収した。1.5mLのメタノール/水混合液(70:30)を通すことにより再びカラムを洗浄した後、0.5mLのn-ヘキサンで洗浄し、真空下でカラムを乾燥させた。最後に、2mLのアセトニトリル(0.5mL×4)で試料を溶出させた。乾燥した窒素蒸気下で溶出された物質を蒸発させ、次いで、既に述べたHPLC法(下記)を用いる250μLの移動相により再構成した。データは、TACμg/解析された湿潤肺組織グラムとして表した。
少しずつ文を区切って取り上げます。
①Solid Phase Extraction and Drug Analysis
Solid Phase Extraction and Drug Analysis of Lung Tissues using HPLC.
HPLC法を用いる肺組織の固相抽出及び薬剤解析:
「HPLCを用いた固相抽出」にやや違和感があります。固相抽出はあくまでHPLCの前処理だからです。HPLCの原理を利用した、という意味合いなら理解できます。
それから「肺組織の固相抽出」について。
肺組織は、ホモナイズや遠心分離などを経て、最終的に組織片などの夾雑物と、TACが含まれる上清液が分離されます。
当然、固相抽出には、TACが含まれている上清液の方を用います。ですので「肺組織の固相抽出」という表現に違和感があります。
あるいは「肺組織から調製した試料の固相抽出」という意味で「肺組織の固相抽出」といっているのでしょうか。
もし日本語だけで考えると、以下がしっくりきます。
「固相抽出及びHPLCを用いた肺組織の薬剤解析」
しかし、もしそうだとすれば英文は以下のようになっているのではないかと思います。
Drug Analysis of Lung Tissues using Solid Phase Extraction and HPLC.
「固相抽出、及びHPLCを用いた肺組織の薬剤解析」という切れ目で考えることもできます。
ここまでが、この一文だけを読んだときの私の思考です。次の一文を読むと答えがでます。
②肺抽出
Lung extraction was carried out using solid phase extraction to obtain TAC levels using reverse phase HPLC.
固相抽出法を用いて肺抽出を実施し、逆相HPLC法を用いてTACレベルを得た。
この一文から、肺組織から試料を調製し固相抽出を行うまでを「Lung extraction」と表現しているのだろうと考えます。
前処理である固相抽出を行ったのち、逆相HPLCによってTAC濃度を測定、決定したということです。
「to obtain TAC levels」は、「TAC濃度を決定するために」という意味合いで「obtain」と表されているのだと思います。
また、次の文以降、肺組織から試料を調製する工程の説明が始まるので、「to obtain TAC levels」は「TAC濃度を決定するために」とする方が良いと考えます。
自分訳:逆相HPLC法によりTAC濃度を決定するために、固相抽出法を用いて肺抽出を実施した。
③肺組織のホモジナイズ
The total lung weight was recorded individually from each mouse. Lung tissues were homogenized using a Polytron rotor-stator homogenizer (VWR Scientific Corporation, West Chester, PA) for 40 seconds in 1 mL of normal saline.
公開訳:各マウスから個別に、総肺重量を記録した。1mLの通常生理食塩水中で40秒間にわたり、Polytronローターステーター型ホモジナイザー(ペンシルベニア州、ウェストチェスター、VWR Scientific社製)を用いて肺組織をホモジナイズした。
自分訳:各マウスの総肺重量をそれぞれ記録した。1mLの生理食塩水中で40秒間、Polytronローターステーター式ホモジナイザー(ペンシルベニア州、ウェストチェスター、VWR Scientific社製)を用いて肺組織をホモジナイズした。
ホモジナイズ(homogenize)は、物質を細かくして均一にする操作です。
肺の総重量を記録した後に、肺組織を細かくして、組織片からTACを分離するというわけです。
原文には確かに「from」がありますが、「各マウスから」というのは分かりにくいと感じました。「from」は、肺重量が個々のマウスの肺組織から記録されるものであることを示しているのだと考えます。
④ボルテックス混合
The homogenized lung samples were then mixed with 0.5 mL solution of 0.4 N zinc sulfate heptahydrate in the mixture of methanol/water (70:30) solution and vortex mixed for 30 seconds.
公開訳:次いで、メタノール/水混合液(70:30)中において、ホモジナイズされた肺試料を0.5mLの0.4N硫酸亜鉛七水和物溶液と混合し、30秒間にわたりボルテックスで混合した。
4-1 混合溶液について
「硫酸亜鉛七水和物溶液」は、タンパク質沈殿に用いられるようです。
ところで「in the mixture of methanol/water (70:30) solution」は、「~中で混合した」という意味なのでしょうか。
「メタノール/水混合液中に溶解した0.4N硫酸亜鉛七水和物」とは考えられないでしょうか。
まだ明細書を最後まで読んでいないので、新たに分かれば追記します。
0.4 Nの「N」は、「規定度(Normality)」を表しています。詳しくは以下のサイトが参考になります。
4-2 vortex mixed
「vortex mixed」という英語表現には初めて遭遇しましたが、「ボルテックスにより混合した」という意味であると思います。
ちなみにボルテックス混合を行うための「ボルテックスミキサー」は、以下の動画のように、容器を旋回させて混合することによって成分を攪拌するものです。
⑤上清を得る
Acetonitrile (1 mL) was added to the homogenized samples before a further vortex mixing for 1.5 minutes, followed by centrifugation at 3000 rpm for 15 minutes to obtain a clear supernatant. Next, the supernatant was collected into a clean vial containing 1 mL purified water.
公開訳:1.5分間にわたってさらにボルテックス混合する前に、ホモジナイズされた試料にアセトニトリル(1mL)を添加した後、3000rpmで15分間にわたる遠心分離により透明な上清を得た。次に、1mLの精製水を含有する清浄なバイアル内に該上清を回収した。
自分訳:ホモジナイズされた試料にアセトニトリル(1mL)を添加後、さらに1.5分間ボルテックス混合し、3000rpmで15分間遠心分離して透明な上清を得た。次に、1mLの精製水を含有する清浄なバイアル内に該上清を回収した。
この文では、操作は以下の流れで行われています。
①ホモジナイズされた試料にアセトニトリルを添加
②さらにボルテックス
③遠心分離
④得られた上清をバイアルに入れる
アセトニトリルは水と混和する有機溶媒であり、徐タンパク剤として用いられることが多いようです。
タンパク質のアミノ酸は内側に疎水性基、外側に親水性基を向けて水和しているのですが、徐タンパク剤を用いると水和水が取り除かれて、タンパク質の疎水性が上がります。
疎水性基がむき出しになると互いに凝集、沈殿します(岡野の化学を勉強していた頃に散々やました)。
アセトニトリル添加によってタンパク質である肺組織片を分離させることができるのでしょう。
ただ、アセトニトリル添加前に硫酸亜鉛七水和物を添加しているので、もしかするとアセトニトリルは別の目的で添加されているのかも知れません。
アセトニトリルはTACの親和性が高いので、夾雑物からの分離を容易にするために添加されていると考えられます。
原文に戻りますが、原文の「before」をそのまま訳すと、確かに公開訳の通りにはなりますが、それだとちょっと分かりにくいと感じます。
自分訳では、操作の流れが明確になるように訳しました。
⑥プレコンディショニング
Meanwhile C 18 cartridges for solid phase extraction (Supelco Inc., Bellefonte, PA) were preconditioned.
公開訳:その間、固相抽出用C18カートリッジ(ペンシルベニア州、ベルフォンテ、Supelco社製)をプレコンディショニングした。
C18というのは、この記事の最初の方に書いた「オクタデシル化シリカ、ODS」です。
「preconditioning(プレコンディショニング)」は、固相抽出の準備として、固相を濡らしたり活性化させることを目的とした前処理を指します。
固相に含まれる微量の不純物を排除したり、目的成分の溶媒と同じ成分を通しておくことで、目的成分(TAC)を保持しやすくするのが目的です。
以下の記事が参考になります。
固相抽出ガイド
⑦固相のプレコンディショニング+試料添加
First, these columns were pretreated with 2 mL of acetonitrile, followed by 1 mL methanol and then washed with 1 mL of water before loading the supernatant through the column. The sample was transferred and drawn slowly through the column by reducing the vacuum.
公開訳:第1に、2mLのアセトニトリルによりこれらのカラムを前処置した後、1mLのメタノールで処置し、次いで、カラム中に上清を投入する前に、1mLの水により洗浄した。真空を低下させることにより、カラムからゆっくりと試料を移し回収した。
自分訳:まず、2mLのアセトニトリルによりこれらのカラムを前処理した後、1mLのメタノールで処理し、次いで、カラム中に上清をロードする前に1mLの水で洗浄した。試料を移し、減圧することによってゆっくりとカラムに引き込んだ。
正直なところ、この自分訳にはあまり自信がありません。文を分解して現時点での考えをまとめます。
loading
loading the supernatant through the column.
これは、カラムに上清を「入れる」という意味であると考えます。調べると、「ロードする」という表現も使用されています。
原文では「washed with 1 mL of water before loading the supernatant through the column. 」となっています。
つまり、カラムに上清を入れる(ロードする)前に水で洗浄したということです。固相から極性不純物を洗い出すのが目的なのでしょう。
ただ、「through」があるのが気になります。「through」は、上から下まで通りきっている(貫通している)イメージがあります。
throughを反映させるなら、「入れる」より「通液」の方が良い気もします。
transferred and drawn
The sample was transferred and drawn slowly through the column by reducing the vacuum.
悩んだのはこの一文です。太字部分について、それぞれの語で考えをまとめます。
transferred
「transferred」は、試料を「移す」操作を表していると考えます。
「試料を入れる前に、アセトニトリルやメタノールを通して、最後は水で洗浄しました。さて、いよいよ試料を入れるぞ。」ということです。
公開訳は、「カラムから試料を移す」となっており、私とは全く異なる解釈です。
drawn
「drawn」は、減圧によって試料が「吸引される(引き込まれる)」ことだ考えました。
公開訳は、「カラムから出た試料を回収する」と解釈しているようです。これも、私の解釈とは全く異なるものです。
reducing the vacuum
公開訳は「真空を低下させる」としています。この表現にどうも違和感を持ちます。
そもそも「真空」の定義は、JIS(日本工業規格)によると以下のようです。
通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態。
備考1. 圧力そのものをいうのではない。
https://kikakurui.com/z8/Z8126-1-1999-01.html
「真空を低下させる」が正しい場合、(もともと大気圧より低い状態のカラムの)真空度を低下させる、つまり、「真空状態を弱める」ということでしょうか。
もしくは、「さらに真空度を下げる」という意味合いなのでしょうか?
今回は「reducing the vacumm」によって試料が「drawn」されるわけですので、「減圧」だと思います。
それに、様々な資料を読みましたが「減圧して送液する」や「減圧して吸引する」という表現が使われています。
したがって、「reducing the vacuum」は「減圧する」が好ましいのではないかと考えました。
ちなみに、方法は減圧だけではなくて、加圧によって試料を送液するという方法もあるようです。
⑧カラム洗浄・乾燥
The column was washed again by passing 1.5 mL mixture of methanol/water (70:30) solution, followed by 0.5 mL of n-hexane and allowed it to dry under vacuum.
公開訳:1.5mLのメタノール/水混合液(70:30)を通すことにより再びカラムを洗浄した後、0.5mLのn-ヘキサンで洗浄し、真空下でカラムを乾燥させた。
⑨試料溶出
The sample was finally eluted with 2 mL of acetonitrile (0.5 mL x 4). The eluted material was evaporated under a dry nitrogen stream and then reconstituted with 250 μL of mobile phase using the previously described HPLC assay (below).
公開訳:最後に、2mLのアセトニトリル(0.5mL×4)で試料を溶出させた。乾燥した窒素蒸気下で溶出された物質を蒸発させ、次いで、既に述べたHPLC法(下記)を用いる250μLの移動相により再構成した。
「reconstitution」は、溶液から乾燥した試料を再び溶かす(再溶解する)ことをいいます。
調べてみると「再構成」という表現も用いられていますが、乾燥凍結された薬剤を使用前に溶液に溶かして使用するとき、つまり「溶液に戻す」という意味合いのときに、「再調製」とか「溶液調製」という表現が使われています(「溶解」も使用されています)。
https://www.phs.com/uploads/technical_documents/2009/06/tech200906_7.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi/54/3/54_237/_pdf
⑩データ
Data was expressed as μg TAC/gram wet lung tissue analyzed.
公開訳:データは、TACμg/解析された湿潤肺組織グラムとして表した。
「gram wet lung tissue」とは「肺組織湿重量1g」を表していて、肺水分を含めた肺組織の重量を表しています。
肺組織湿重量1g当たりにTACがどれだけ溶出したのかを表しています。
まとめ
2回の記事にわたって、明細書の試験に関する記述を取り上げました。
化学実験だと、「この溶液は何のために添加したのか?この操作は何のために行ったのか?」というのが分からないことがあります。
今回の明細書は、それぞれの溶液が何のために添加されたのかを調べてまとめながら(一部はブログにもまとめて)読んでいます。
ブログにまとめるのはかなり時間がかかるのですが、言葉にすることによって自分の考えの矛盾に気がづくこともあり、メリットは大きいです。
引き続き、明細書を読んでいて得た気づきなどをブログにまとめます。