バイオ・メディカル

X線撮影装置の明細書を自力翻訳(全体的な振り返り)

以下の明細書の自力翻訳と、公開訳との比較が終わりました。

【公表番号】特表2023-519681(P2023-519681A)
【公表日】令和5年5月12日(2023.5.12)
【発明の名称】SYSTEMS AND METHODS FOR X-RAY IMAGING TISSUE SPECIMENS

以下についてまとめます。

  • 翻訳と見直しについて
  • 時間を要したワード
  • 全体的な振り返り

この記事では、全体的な振り返りや反省にとどめることとし、公開訳との比較などは別の記事にまとめる予定です。

翻訳と見直しについて

翻訳

1時間ごとの翻訳ワード数を計測しました。その結果、1日ごとの翻訳ワード数は以下のようになりました。

・合計ワード数:11,529 w
・翻訳に要した合計時間:32 h

前回の記事で「1日9時間翻訳するのはきつい」と書いたばかりですが、今回も最初の2日間は9時間になりました。

8時間終わった時点で、他の勉強をするか、本を読むかと考えたのですが、この時は、「それなら続きを翻訳する方が良い」と思ったので。

繰り返し部分が多いところなどは、途中で終わるとかえってスッキリしない感じが残ります。

もちろん時間は有限ですので、「キリをつける」というのも必要ですが…。

今後、数をこなすうちに自分なりのリズムをつかめると考えています。

1時間ごとの記録

以下は、1時間ごとの記録です。色のついた左の列から、
・計測開始時のワード数
・計測後のワード数
・(計測開始時のワード数)-(計測後のワード数)=処理ワード数
です。

一番右の列が、1時間ごとの処理ワード数です。

今回の明細書は、背景技術にマンモグラフィやトモシンセシス撮像について記載されていました。

マンモグラフィに関する明細書を読むのは今回初めてだったので、この明細書の中では背景技術の翻訳に最も時間がかかっています。

反対に、処理ワード数が多かったのは、発明を実施するための形態の繰り返し部分、図面の説明、そして請求項であり、前回自力翻訳した時と同じです。

見直し

見直しに要した時間は、以下のようになりました。

作業期間:12/8~12/10

  • Word上で見直し + memoQのQA機能:11h20m
  • Just Right!7上での見直し:30m

見直しについて反省すべき点があるので、後ほど記載します。

時間を要したワード

訳出時に悩んだり、後で訳し直したりして時間を要したものは、以下の通りです。

・imaging(撮像、画像化)
・x-ray tube head(X線管ヘッド)
・procedure(手順、手技)
・analysis(解析、分析)
・verification(確認、検証)
・place, locate, position (配置する、位置づける、位置決めする)
・a path of the x-ray beam towards the receptor(X線ビームが受像器に向かう経路を画定する)

上記については、別の記事で公開訳と比較しながら取り上げます。

全体的な振り返り

良かった点

1日の処理ワード数

まず良かった点としては、1件の明細書の翻訳を通して、1日の処理ワード数がこれまでの自力翻訳時よりも多かったことが挙げられます。

理由として、今回の明細書が読みやすい内容であったこともありますが、

それ以上に、様々な分野の学習を継続し、多くの特許明細書に触れたことによるものと考えています(むしろ、そう考えたいです)。

反省点

見直しと訳し直し

大きな反省点は、見直しの仕方です。

見直しは、あくまで表現の統一やケアレスミスのチェックのために行いたいと考えます。

しかし自分の場合、「内容に踏み込んだ見直し」に時間をかけすぎているように思います。

具体的には、見直し時に内容を再度じっくり読みながら訳文を一文ずつ見直して修正し、その修正に伴って他の訳文も修正することに時間をかけています。

そして「この一文を●●にするなら、あの一文を○○にした方がいいのでは?」と、その一文を探してまた修正するのです。

これが原因で、訳し直しが多くなったり、ケアレスミスのチェックが疎かになったりするのではないかと。

つまり、「内容に踏み込んだチェックが必要 ⇒ 見直しに時間がかかる + 訳し直しが多い」

というパターンになっていると考えます。

いくら1日の翻訳ワード数が増えても、見直しに時間をかけすぎていては本末転倒です。

内容理解

では、この良くないパターンの原因は何でしょうか。なぜ、内容に踏み込んだ見直しが必要なのでしょうか。

それはやはり、「一発で訳を確定できないため」であると考えます。

いくつかは仮訳として、暫定的に訳を決めて次に進んでいいとして、他を一発で確定できていれば、あっちもこっちも…とちょこちょこ訳し直しする必要がないはずです。

では、なぜ一発で訳を確定できないのかと考えると、「内容を理解しながら読めていない」という、そのそもの話に行き着きます。

原文の短い一文を読んだとき、その一文に含まれる書き手の伝えたい内容をどこまで理解していただろうか?作業のように、日本語に置き換えていた部分が少なからずあったのでは?

そう自分に問うたとき、「内容をちゃんと理解して翻訳できていた」と言い切ることはできませんでした。

それに、いくら「内容を理解できている」といっても、それを訳に反映できていなければ意味がありませんし。

公開訳と比較して気づかされている時点で、まだプロとしてのレベルに到達していないと言わざるを得ません。

まとめ

今回も反省点の多い自力翻訳でしたが、全体としては成長している、と感じました(といっても感覚的なものですが)。

この明細書も、テーマを変えて複数のブログ記事に渡って書くつもりです。

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