本格的に学習を開始してから9ヶ月が経過しましたので、振り返りをします。
全体的な振り返り
8月に夫の長期休暇があったため、勉強を休んで外出した日が他の月より多くなりました。
今日の分を含めていないですが、3月~6月と6月~9月を比較すると、80時間ほど勉強時間が減る計算です。
せっかくの夫の夏季休暇ですから、一緒に過ごせたことは良かったですし、以前ほど「勉強した時間」にこだわることはなくなりました。
問題は、勉強に対する熱量がやや低下していたことです。勉強時間云々より、このことを反省しています。
最近、追われていて命がけで逃げる夢や撃たれる夢など、悪夢ばかり見ます。
また就寝中の私の歯ぎしりが酷いそうです。歯が大きくすり減っているのが分かります。歯ぎしりを始めると、夫は私の顎をおさえて止めてくれるそうです(^^;)
「ただやるべきことをひたすらやるだけ」というモードであれば、焦ることはないはずですが。
気持ちの緩みの裏返しで、焦っているのだろうと思います。
9ヶ月目の学習
対訳学習
TradosとmemoQを使用して、3つの明細書の対訳学習をしました。
題材は、以下の明細書です。
①治療用MRNAのインビトロ製造及び精製
②パーソナルケア組成物
③着色剤含有内相を含むシリコーンエラストマーエマルジョン化粧品組成物
①~③それぞれに対して、以下のように対訳学習しました。
①は、日本語と英語で読んだことがある明細書。一文ずつ自力翻訳&公開訳と比較
②は、日本語で読まずに一文ずつ自力翻訳&公開訳と比較
③は、イチから自力翻訳
TradosとmemoQ
この1ヶ月間使用したことにより、TradosとmemoQそれぞれの長所と短所を感じました。
全体的な操作のし易さと、登録した用語ベースの認識具合を考えると、TradosよりもmemoQの方が使いやすいですね。
以前のブログで書いた通り、今はWordで訳文を作り、完成した訳文をセグメントに貼り付ける方法をとっています。
初めての一通り自力翻訳
講座の対訳シリーズで題材とされている、P&Gの明細書を最初から最後まで自力翻訳しました。
事前に類似特許(前回のブログで書いたエマルションの特許)の対訳学習を行い、メモリ&用語ベースを作成しておきました。
最後まで自力翻訳した後に公開訳と比較し、疑問点や自身の改善点をメモした上で講座のビデオセミナーを視聴しました。
自分の訳と比較して公開訳の「上手い」と感じるところ、そして「これは公開訳が明らかに違うのでは?」と感じるところもメモしました。
管理人さんがコメントした箇所はほとんどすべて、自分自身も違和感を持った箇所としてメモを残していました。
加えて、そこまでこだわることはないのかも知れませんが、気になった箇所もあります。
例えば以下です。
These resins consist essentially of a colloidally water-soluble polyalkenyl polyether crosslinked polymer of acrylic acid crosslinked with from 0.75% to 2.00% of a crosslinking agent such as polyallyl sucrose or polyallyl pentaerythritol.
自分:
これらの樹脂は、0.75%~2.00%の架橋剤(例えば、ポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリスリトール)で架橋された、アクリル酸のコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから本質的に構成されている。
公開訳:
このような樹脂は実質的に、0.75~2.00%のポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリスリトールのような架橋剤でアクリル酸架橋したコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから成る。
「アクリル酸を架橋した」なら分かるのですが、「アクリル酸架橋した」とすると、アクリル酸で架橋したようにもとれますが、考えすぎでしょうか。
自然かつ内容に忠実に
今回、単純な英語表現の訳に悩むことが多々ありました。
例えば、以下のような。
The term “make-up” refers to products that leave color on the face, including foundation, blacks and browns, i.e., mascaras, concealers, eye liners, brow colors, eye shadows, blushers, lip colors, powders, solid emulsion compacts, and so forth.
自分もメイク用品を使用しているので、’blacks and browns’がアイライナーやマスカラなどを指すことは理解できます。
しかし、これを「黒色及び茶色」などとすると不自然です。
結果、以下のようになりました。
自分:黒及び茶の色をつけるもの、すなわち、マスカラ、~
公開訳:黒や茶色の製品であるマスカラ、~
また、’products that leave color on the face’はどうでしょう。
自分:顔の上に色を残す製品
公開訳:顔面に色を施すための製品
日本語として自然であり、理解しやすいのは公開訳の「施す」です。
私自身、色を「つける」か「施す」にしようかと迷った結果、「残す」にしたのでした。
「残す」の方が、leaveに対して忠実だと考えたからです。
どこまで日本語として自然な訳をすればよいのか。これは、あらゆる特許を読んで塩梅を学ぶしかないのでしょうが、難しいと感じます。
中学・高校レベルの英語を訳すときにこそ必要なのは、辞書ではなく内容理解であると痛感しています。
今後の予定
次は、3Mフルオロポリマーを自力翻訳&ビデオセミナー視聴するために、関連明細書を数件読んで知識補充します。
その後、NUTRASWEET社の化合物合成&精製の対訳シリーズをするか、あるいはクロマトグラフィー、ドラッグデリバリーシステム、がん免疫療法の自力翻訳&公開訳と比較に取り掛かります。